契約書 を知ろう
著作権とは?
著作権とは、作品を作った人が持つ権利で、自分の作品がどう使われるか決めることができます。申請をすればもらえる権利ではなく、作品ができた瞬間に発生します。
著作権は、他人による著作物の利用を禁止する効力を持っています。
具体的には、大きく分けて以下の三種類の行為について、作者の同意なく行うことを禁止しています。
- 人に
見せること - 人に
あげること - 複製する
こと
著作権は財産を守るための著作財産権(狭義の著作権※)と、作者の心を守るための著作者人格権に分けられます。
- 文章中に『著作権』という表記があった場合は、著作財産権のことをさしているケースが多いので注意が必要です。
- 著作権を譲渡することは可能ですか?
- 著作財産権(狭義の著作権)を譲渡することは可能ですが、著作者人格権は譲渡できません。
- 作品を出版社経由で販売する際には、どのような著作権が関係してきますか?
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作品を出版するための権利である「出版権」と、作品をデジタルコンテンツとして配信するための権利である「公衆送信権」が関係してきます。
いずれの権利も出版社と契約を行う際に、その扱いについて確認が必要です。
後述の「契約書とは?」の項目をご参照ください。
契約書とは?
電子書籍を配信する際に、作家は出版社やエージェント、取次会社などと下記契約を結ぶ必要があります。
- 出版社に対し、執筆した作品を電子書籍化・インターネット配信・販売する権利を与える契約
- 出版社から、電子書籍化・インターネット配信・販売した分の、作品の原稿料と印税を支払ってもらう契約
契約の際には、契約書を交わすようにしましょう。
- 契約書とはなんですか?
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契約書とは、契約の内容が書かれた書類のことです。例えば、契約書には作家と出版社が約束した内容が記載されています。
作家と出版社はそれぞれが契約書の記載内容を確認し、記載内容に納得したうえで、契約書への署名捺印を行います。
契約自体は口頭でもできますが、契約書があることによって、認識違いによるトラブルなどを防ぐことができます。
反対に、内容をよく確認しないと、思わぬ約束をしたり、不利益になる約束を受け入れてしまう可能性もあります。
出版社から契約書を提示された場合、全文に目を通し、疑問点や不明点を解消してから、契約を結ぶようにしてください。 - 原稿料や印税の算出方法が分かりません。
- こちらのページをご確認ください。
- 契約期間とはなんですか?
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契約期間は、契約が有効とされる期間になります。例えば、対象となる作品を、出版社が配信・販売する期間のことです。
独占的に配信・販売することを作家が出版社と約束した場合は、契約期間内に、同じ作品を他の出版社で並行して出版、配信・販売することはできません。
契約が有効になる期間や、契約期間の延長方法、対象となる作品について確認してください。 - 出版社による、作品の二次的使用・利用とはなんですか?
- 著作物の二次的使用・利用とは、小説を映画化したり、外国語の論文を日本語に翻訳したり、楽曲を編曲したりして作ることを言います。例えば、出版社との間であれば、日本語で制作された作品を外国語に翻訳することがあります。日本語で制作された作品を外国語に翻訳するには作家の承諾を得た上で行われます。
監修:弁護士 松本昌之